ジャン・フィリップ・ダルシー(以下ダルシー)は、1971年ベルギーの美しい街ヴェルヴィエで生まれました。幼少期から料理に興味を持ち、料理好きの父に影響され15歳でナミュールの食品ビジネス専門学校に進学。1996年、わずか25歳で自身の会社を設立しました。その後チョコレートのみならず、パティスリー、マカロンの分野でもベルギー国内で名を馳せることになります。
2001年には、プロスペール・モンタニェ・コンペティションで優勝し「終身ベルギーチョコレート大使」の称号を授与。さらに、2004年には世界最高峰の洋菓子職人協会「ルレ・デセール」の会員に選ばれ、優れた技術と情熱が高く評価されました。
ダルシーの代表作である「プロスパー」(ミルクチョコレートのプラリネ)は、2001年に世界最大のチョコレートメーカーであるバリー・カレボーグループにより「終身ベルギーチョコレート大使」の称号を得るきっかけとなった一品です。このプラリネは、ベルギー産のシナモンを使い、彼が子供時代によく食べた味を蘇らせる特別なチョコレートです。
ダルシーは、チョコレート作りにおいて「楽しさ」「共有」「発見」「創造性」の4つの価値観を大切にしています。産地にこだわり、公正な取引を行い、質の高い素材を選び、伝統的な技術を守り続けることでショコラティエとしての誇りを持っています。
また、日本にも特別な関心を持っており、日本の文化や原材料から多くのインスピレーションを得ています。今後、山椒や質の高い日本酒、日本のウイスキーなどを使用して新しいチョコレート製品を開発し、日本のお客様に特別な体験を提供したいという夢を抱いています。
ダルシーは、数々の国際的なコンペティションで成功を収め、世界中のチョコレート愛好家や専門家から高く評価されています。
主な受賞歴
2016年、ベルギーのヴェルヴィエに念願のチョコレート工場「LaChocolaterie」を開設。この工場では、BeantoBarというコンセプトを取り入れ、彼が厳選した最高品質のカカオ豆を使い、カカオ豆の選別から焙煎、粉砕、テンパリング、成形までを一貫して行っています。建物には見学可能なミュージアムやカフェも併設されており、世界中から訪れる人々がダルシーの製造過程を学びながら美味しいチョコレートを楽しむことができる大型施設です。
2018年にはベルギーのヴェルヴィエで「ルレ・デセール」の会合をホストとして主催し、800人以上のゲストに向けてデザートの饗宴を提供しました。その後も様々なコラボレーション、テレビ番組への出演や審査員活動、さらには次世代の人材を育てるために後進の育成にも積極的に取り組んでいます。彼のアトリエで若いシェフたちに最新の技術やイノベーションを伝授し、国際的なコンペティションへの参加もサポートしています。
ダルシーは今後も、ベルギーチョコレートの魅力を広める活動に全力を尽くしていきます。